コトバ。

2001年5月19日
彼からの、電話だった。

「友達に、戻ろう。」

そう。
あれから、電話をしていた。
会っていた。

なにかを償おうとして、彼は、違う人のように
あたしに優しかった。
変われると思った。

けれど。

あたしは、彼に対する気持ちが自分で
わからなかった。
相変わらず、半端なままだった。

それでも、体も心も慣れたあの人から、
離れて一人になってしまうのが怖かった。

半端な自分がただ、嫌で、恥ずかしくて、
書けなかった。

彼に対する気持ちも半端で、気持ちがどこにあるのか
わからない態度しかできなかった。


そうやって昔のように形だけは戻ったみたいに見えた。
けれど、彼も、それが続かないと思っていたらしい。
いつ、別れを切り出そうかと
いつでも、思っていたらしい。


あたしに対する、負い目。

それを、いつまでもひきずって、
あたしの顔色をうかがって、
ただもう、傷つけないようにつきあっていく。

それが、もう限界だと。

自分が、どこにもなくなってしまうと。

そんな不自然な関係に、意味はないからと。


そう言った。

「ただの、友達に、なろう。」

あたしは淡々と話を聞いて、相槌を打った。

「あなたがつらいのは、あたしもいやだから。
それで、楽になるんだったら、そのほうがいいから。
だから、あたしは、いいから。」

彼は、今までもあたしのその言葉を何度も聞いたけど、
もう信じられないと言った。
ただ、言葉を選んで、優しい言い方をしているだけだと。

本当に、そのとおりだった。

そこまで分かってくれていることが、
悲しかった。

「みうのことは、人間的にとても好きだから、
友達としてつきあっていきたい。」

あたしは、彼に対する恋愛感情が残っているうちは
無理だと言った。
落ち着くまで、無理だと。

それも、本当だったけど、
ただ、そう言ってすがっているだけだった。

「友達って・・・なに?」

あたしは、聞いた。

セクシャルな関係には一切ならないこと。
だからもちろん、手もつながないこと。
お互いの家にも、行かないこと。

 人間的に、すき。
だけど、彼の前で、あたしはもう二度と、
女として愛されることはないのだと、
そのときはっきりわかった。


二度と、あたしに触れようとしないなら、
重なってしまった手を、よけられるくらいなら、
今後一切、会いたくなんて、ない。

人間としてよりも、
女として見て欲しかった。


いつか、あたしに他に好きな人ができたら、
きっと、思うだろう。

なんで、あたし、あんな人から離れられなかったんだろう?
って。

だけど今、あたしの目の前にはそれしかなかったから。

「友達として接せられるのは、やだな・・・
あたし、当分は、無理」

「っていうか、友達としてしか、接さないから。」

彼の声を、こうやって聴くのは、
あたしのことを好きな人としてこうやって
話してくれる声を聴くのは、もう最後なんだ、って思って
涙がいっぱい出てきた。

だけど、今すでにもう、“友達”として
話されていることに気づいて、
ますます溢れてきた。
痛かった。
・・・・強くなりたい。

あんなに痛かったのに、
こうやって、また、あのときを忘れようとして、
彼にすがっている自分。

決心を貫き通せなかった。

また痛い思いをするのに、それでも、
自分の痛くないこの先を選べなかった。


彼が、あたしに触れようとすることは、もうない。

手をのばしても、ただ、
届かない。

触れようとすれば、拒絶されるだけのこの先。

だったら・・・。


だったら、もう、会いたくない。
そのほうが、痛くない。
彼を目の前にして、ただ切ない思いをするなら。

昔の、あの頃のあたし達を思い出して、
痛さでつらくなるなら。


「友達としてしか、接さないから。」

そんなに何度も、繰り返さないでください。。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
なんだか、書けなかったんです。
相変わらず、なんにも変わっていないあたしが、
恥ずかしかった。

相も変わらず、別れるたびに大騒ぎして、
また戻って、
また別れて。

なにも変わらない自分を見せるのが、
恥ずかしかった。

別れるたびに、本当に痛い。
これで、ほんとうに最後にしよう。

そう何度も決心して、
その決心を、偉そうに、日記に書く。
そうやって、自分を後戻りさせないように、していた。

けれど、そんな決心は、すぐ揺らぐものだと知った。

あんな大きなこと言わなきゃよかった。
そう思って。

格好悪い自分が、いやだった。
もともと、そんなに格好よくなんて、生きれないくせに。

だけど、また痛い思いをしたら、
こうやって甘えて日記を書いている。

・・・もう、よく、わかんないよ。

もう、彼女としてつきあうのは、無理だと。
負い目を感じることに、極端に自分は弱いと、
彼は言った。

負い目を、彼が感じるのは当然だとあたし、
思っていた。
その分、優しくしてくれればいいと、思っていた。

ねえ、あたし、彼が好きだったのかな?

彼が好きなら、彼がつらい思いをするの、嫌なもんじゃないのかな・・・

ただ、すっかり慣れてしまった場所がなくなってしまうことが、
怖かった。

一人になるのが、怖かった。



コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索