27日の夜の続き。3

2001年4月30日
どれぐらい、時間がすぎただろう?

何かの物音で目が覚めた。
隣には、彼はいなくて、ぬいぐるみが代わりに置いてあった。

部屋のすみっこで、彼は帰るしたくをしていた。

「・・・帰るの?まだ、はやいよ?寝ていけば・・」
「・・もう、つらいから・・」

彼は、玄関に向かう。

靴をはく。

ドアに手をかける。

そのとき、あたしは、言ってしまった。
ほんとうに、自分勝手なことを。


「最後に、だっこして?」

・・彼は、弱く笑うと、
「つらくなるから、いいよ」
って言った。

ドアが、閉まった。

ゆっくり階段を降りる音が小さくなっていく。

あたしは、ぼーっと玄関に立っていた。
終わりを、ゆっくり感じていた。

最後に言った無神経な言葉に、
後悔していた。


メールが、届いた音が響いた。

あたしと過ごした日々は楽しかった、って。

眠った。

たくさん、夢を、みた。

昼過ぎにあたしは目が覚めて、彼に返事を送った。

<あたしのこと、好きになってくれてありがとうね。
どうして離れていったかわかる?
なにかが直接的な原因じゃないの。
ただ、大事にされてないな、自分だけがかわいいなら
あたしいらないじゃんって思ったんだ。
本当に守りたいもの、みつかるといいね。
そうしたら、もっと強くなれるよ。
だからだいじょうぶだよ。
全てを受け入れたかった。
それなのにわかってあげられなくてごめんね。
本当のやさしさで、だいじなものを守ってあげてね。
それから、これまでずっとつきあうことで、
みうは優しいひとになれたよ。
ありがとね。ほんとに。>

返事は、こなかった。

最後まで、嘘をついて、ごめんね。
あたし、やさしくなんて、ないよね。

優しいふりをしてきて、ごめんね。

こんなとき、本当にやさしいひとなら、どうするんだろう?
あたし、なにができたんだろう?

あなたのこと、ほんとうは、責めたりなんて、できなかった?


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