無視。

朝、メールが入っていたみたいだった。
夜に、気が付いた。

＜昨日はゴメンなさい。酒気帯びも取られると免停だと
気が付いたので逃げた。＞

ゴメンがカタカナだとか、
メールであやまることとかに
むかついて、無視していた。

あのとき、あたしを置いていったくらいだから、
悪いなんて気持ちはないんだろうな、とか
思って。

そのメールにずっと気が付かなかったから、
朝からずっと、今日、警察から連絡いったのかなとか、
点数とられたのかな、とか、
怒られたのかな、とか
色々考えていた。
あの警察官のひとが、
「オレのほうが涙がでてくるよ」
って、泣くのを我慢していたあたしに、言った。
それを聞いたらあたし、涙を我慢できなくなった。

あのひとは、彼にすごく怒ったのかな、とか。。

でも、それであーゆー行為が、すごく卑怯だとか、
結局自分しか大事にできない人間なんだとか、
あたしにたいしてその程度なんだって、
気が付けばいいと思った。

痛い想い、すればいい。

夜にも電話があったけれど、
あたしは無視して眠った。

もう、なにも話したくなかった。

それよりも、
いつもどおりちゃんと元気に会社に行けたこと、
昨日のできごとを、友達に
「平気だけどねー」って、笑って話せる自分に
驚いた。

だって、痛いのなんて、はじめてじゃない。
彼といる間、
ナンパとか、
二股とか、
嘘とか、
いつもだったから。

あたしは、強くなった？
でも、これって強さなの？

こんな思い、知らなくていいなら、
知りたくなかった。
いつまでだって、
人を疑うことを知らずに、
笑っていたかった。