くゆらせる

あたしはいつも、ベランダで煙草をすう。
気持ちいい。
季節が変わっていくのが、とてもよくわかる。

相変わらず空気は冷たいけれど、突き刺すような寒さじゃなくて、
どこかあったかい。
けむりが、ゆらゆらゆれて、消えていく。

嬉しいときも、つらいときも、
ベランダにでる。
今日は、なにも連絡がない。
連絡もしていない。
ばかみたいに、「帰ったよ」っていう彼を待ってた。

なんの約束もないけど、会えそうな日だと思ったから、
なんとなく部屋を片付けて、
ゆっくりお風呂にはいってキレイになった。

会えそうだと思う日。
きっと、すごく会いたい日。
でも、会えなかった日。

会いたいって、言わなかった日。
こわがりをなおしたい。

連絡がこないとか、連絡がきたとかで
喜んだり、落ち込んだり。
彼を疑ったり、信じたり。
勝手にひとりで、自分の中で思いを巡らせて
自己完結してしまったり。

いつも、ただ、待っている。

今日は、待ってみよう、って思った日だからって
自分では思うけれど、それがほとんどのような気がする。

メールしようと思った。
でも、返事がこないのが恐かった。
仕事のあと家に帰った日は、メールや電話をくれる。
でも、今日はそれがないから、
もし・・・・
また・・・・
そんなときに彼の携帯にただ届くあたしのメールがこわかった。

こんなんじゃ、だめだ・・・

ぶつかれよ。

どこかでいつも、彼を待っている日々。
いちいち左右されている日々。
変えなきゃ。
あたしのために、時間をすごすことが必要。

手につかなくて置き去りになっている大好きなこと。
時間は思っているより、短いから。


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